メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024に出展した「カラーバリエーションパイプ(仮称)※1」(以下「カラーバリエーションパイプ」)について開発の背景から今後の展望まで営業担当者と開発担当者に話を聞きました。
カラーバリエーションパイプは、硬質塩化ビニルライニング鋼管であるキーロンパイプの外面を多色展開した商品です。プラント業界では、防錆及び流体識別の為にパイプに塗色を行っており、錆により定期的に研磨と再塗装・塗色が必要になっています。当社のカラーバリエーションパイプを導入頂くことで塗り直しが不要になり、メンテナンス費用の削減につながります。
※1.2025年内販売開始予定
(商品チラシ:カラーバリエーションパイプチラシ)
――カラーバリエーションパイプはどのような背景で開発に至ったのでしょうか。
プラント工場の配管では流体識別と錆腐食対策のために、ペンキ塗装を3回~4回重ね塗りを行っておりますが、沿岸部のプラント配管では、海塩粒子や高潮により錆が発生して、早期にペンキ塗装が剥がれるため、定期的に塗装改修工事を行わなければならないという課題がありました。また、2024年労働時間規制問題、人手不足問題、石化系塗料の使用に繋がる環境問題と人件費高騰等がプラント配管の課題として挙げられている点に着目して、防食性と流体識別を可能にした塩ビライニング鋼管のカラーバリエーションパイプを開発しております。
(写真右側:営業開発部 角野)
――開発内容はどのようなものですか。
キーロンパイプの外面樹脂は硬質塩化ビニル樹脂です。塩ビ樹脂と配合剤と顔料を混合させたものを鋼管に被覆させたものがキーロンパイプになります。従来は外面樹脂の色ごとに専用の添加剤を使用していましたが、今回多色化展開したパイプを作成するにあたり、外面色に関わらずに、全ての色に使用できる配合剤を開発する必要がありました。そのため、最適な添加剤の選定をする試験を現在実施しております。
(製品開発部 村田)
――開発途中の困難や現在の課題について教えてください。
入社2年目で今回の開発案件を引き継いだのですが、研究を進めていく上で工場の方とのコミュニケーション不足や、効率的な試験の進め方ができないことに苦労しました。また、コロナの影響で、カラーバリエーションパイプの製造設備の導入が遅延するなど、開発スケジュールが予定通り進まず、スケジュール管理面でも苦労しました。(製品開発部 村田)
――拡販方針はどのようなものですか。
官公庁、プラント工場やプラントエンジニアリング、防災メーカー、ガス会社、バイオマス事業者様などに商品をPRしていきます。(営業開発部 角野)
――今後の展望や意気込みを教えてください。
2025年度の製造・販売を目標としております。現在も海沿い地区の露出配管用に長寿命化商品としての提案活動を実施しております。(営業開発部 角野)
インタビューに快く応じて下さった角野さん、村田さん本当にありがとうございました。カラーバリエーションパイプ(仮称)にご興味を持って下さった方は、是非弊社まで一度お電話下さい。
連絡先:㈱協成 東京本社 営業開発部 角野 TEL:03(5642)2302